ICD実機試験

人体ファントム

人体型ファントムとは、日本人男性の標準体型を模擬したアクリル製の半身中空模型内に、電磁気的に人体組織を模擬した0.18重量%の塩水を入れたものである。(写真1)  人体型ファントムの左鎖骨下にPM本体とペーシングリードを設置した。ペーシングリードの形状は、心室の電極を植え込んだ場合を模擬した。

写真1 人体型ファントム

イルニッヒ・ファントム

Werner Irnich考案による生体モデル(図1)であり、図にあるサイズの直方体の容器に、電磁気的に人体組織を模擬した0.18重量%の塩水を入れたものである。

参考文献: Irnich, W.: Interference in Pacemakers. PACE, Vol.7, November-December 1984, Part I, pp.1029-1048.

ICDの設定について

レートはすべて50 ppmとし、モードはVVIの単極ペーシングとした。感度はそれぞれ設定できる最高となる値とし、不応期はそれぞれ設定できる最短の値とした。つまり、一番誤動作が生じやすい設定とした。

誤動作判定について

下記のいずれかの誤動作が生じた場合、誤動作と判定します。

  • 1.擬似心拍を入力しない状態で、心臓が止まっていて、ICDの作動が必要にも関わらず、電磁波を心拍と誤認し、ICDが止まってしまうこと。
  • 2.擬似心拍を入力した状態で、電磁波によって、擬似心拍をICDが感知することができなくなり、ICDが心臓が動いているにも関わらず、不要な刺激を発生すること。

測定系および擬似心電位発生器について

ペーシングリードの先端にプローブを設置し、ケーブルを伝って測定器に接続した。このケーブルとプローブを用いて、ペーシングパルスの検出及び擬似心電位入力を行う。(図2)測定器には、データ収集機のキーエンス社製NR-2000を用いた。擬似心電位発生装置から入力する擬似心電位波形はSin二乗波とした。振幅はICDが応答し始める最小の振幅の約2倍とする。

図1 人体型ファントムと測定装置類の接続

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