「MGネット」抗菌試験報告書

銀イオンは殺菌作用について良く知られており、火傷の治療において細菌感染を防ぐ為に、硫酸銀を感染予防に使ったり、銀サルファダイアジンが使われたりしてきました。

弊社が開発した「MGネット」は ナイロンの表面に純銀(純度99.9%)をコーティングした繊維を、ハニカム形状の粗めメッシュ状にした素材です。MGネットがどのように細菌の活動を抑制するかを日本化学繊維検査協会、生物試験センターで以下の通り試験をしました。


1. 試験品:

銀をナイロンの表面に無電解メッキした繊維をより糸にし、ハニカム形状の粗めネットにした試料(MGネット)

2. 試験機関:一般財団法人 カケンテストセンター

3. 試験内容:抗菌性(統一試験法)

4. 試験概要:

統一試験法に基づき培養液にMGネットとナイロン標準白布を浸し、そこに各種生菌を同数量接種し、18時間経過後の生菌数を検査した。生菌数を数える際に培養液を20倍に薄めているので、生菌数が0個の場合は20以下という表示になります。さらに、高温加速洗濯法(JIS L 0217、103号、JAFET標準洗剤を使用)により洗濯を10回と50回行ったあとに同じ試験をした際の生菌数も検査しました。

5. 試験用細菌種:

黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus ATCC 6538P、肺炎桿菌Klebsiella pneumoniae ATCC 4352、MRSAMethicillin Resistant Staphylococcus aureus ID 1677、大腸菌Escherichia coli O157:H7 ATCC 43888、緑膿菌Pseudomonas aeruginosa NBRC 3080

6. 菌の培養基:

Luria broth(トリプトン10g、イースト抽出体5g、食塩0.5gを水1リットルに溶解)

7. 試験結果:以下の表にて参照

黄色ブドウ球菌

試料 生菌数 静菌活性値
MGネット 原品 20以下 5.8以上
洗濯10回後 20以下 5.8以上
洗濯50回後 20以下 5.8以上
ナイロン標準白布 接種直後 2.5×104 -
接種18時間後 1.2×107 -

肺炎桿菌

試料 生菌数 静菌活性値
MGネット 原品 20以下 6.1以上
洗濯10回後 20以下 6.1以上
洗濯50回後 20以下 6.1以上
ナイロン標準白布 接種直後 2.2×104 -
接種18時間後 2.4×107 -

MRSA

試料 生菌数 静菌活性値
MGネット 原品 20以下 5.6以上
洗濯10回後 4.0×101 5.3
洗濯50回後 1.2×104 2.9
ナイロン標準白布 接種直後 1.8×104 -
接種18時間後 8.7×106 -

大腸菌

試料 生菌数 静菌活性値
MGネット 原品 20以下 5.9以上
洗濯10回後 20以下 5.9以上
洗濯50回後 20以下 5.9以上
ナイロン標準白布 接種直後 2.0×104 -
接種18時間後 1.7×107 -

緑膿菌

試料 生菌数 静菌活性値 殺菌活性値
MGネット 原品 20以下 6.0以上
洗濯10回後 20以下 6.0以上
洗濯50回後 20以下 6.0以上
ナイロン標準白布 接種直後 2.2×104 -
接種18時間後 2.1×107 -

8. 試験報告:

SEK規格(繊維製品新機能評価協議会規格)では静菌活性値が2.2以上で抗菌性が良好とされます。本生地の静菌活性値は最高レベルです。また、洗濯を50回繰り返しても抗菌性はほとんど低下しないことが分かりました。

純銀は塩素(Cl)とイオウ(S)に反応し、塩化銀、硫化銀に変化します。塩分や排気ガス、硫黄臭がある場所では劣化が進みます。水道水に投入する場合は塩素と反応しますので、弊社ではそれらを勘案して使用期限を設けております。

メディカル・エイド株式会社