電磁波防護の仕組み

MGワークベストの電磁波防護の仕組みとは---EMSパッドで「交流磁界」、高周波防護ベストで「無線電波」を遮蔽し、ペースメーカの不適切作動を防止します

EMSパッドは、静磁界・低周波電磁波・高周波電磁波の広い周波数帯域(0~数十GHz)を遮蔽します。ペースメーカ・ICD等本体内部にある通信用のテレメトリコイルや本体と心臓をつなぐリード線が作るループ面(輪の中)に交流磁界が入射されると、電流が誘起されペースメーカ・ICD等が不適切作動する原因となります。そのループ面を覆うように体の前後に「EMSパッド」2枚配置しますと効率よく交流磁界が遮蔽されます。

また、ループ面の横から交流磁界が入射してきてもループ面(輪の中)にはほとんど入射されないので、横からの交流磁界の影響は非常に少なく、むしろ回り込みによる前後からの入射の影響の方が大きいので、「EMSパッド」を前後に配置することが最適です。

■他社製品との比較

MGワークベスト

施設内の設備や機器から発生する電磁波(交流磁界と無線電波)に対応しています。詳しくはペースメーカ・ICD等に影響を与える可能性のある作業現場と電磁波を発生する機器の一覧をご覧下さい。

他社

他社では現在ペースメーカ・ICD等電磁波防護服を取り扱っておりません。当社が世界で唯一のペースメーカ・ICD等用電磁波防護服の製造メーカーです。


EMSパッド -MGワークベスト用-

周波数30kHz~1GHzで約60dB(99%)以上の電磁波遮蔽性能を発揮する、5層構造のEMSパッド。日常生活用MGベストSTに比べ、2倍以上の面積があり、作業所内での様々な電磁波を減退させます。(ベストの前後ポケットに挿入)


  1. 1.低周波磁界
  2. 2.アルミ箔3層
  3. 3.高透磁率磁性材シート2層
  4. 4.磁界遮蔽

※拡大断面図

アルミフィルム3層と高透磁率磁性材シート2層の5層構造(厚み0.7mm)さらにPETコーティングで耐久性が向上。

最大透磁率200,000(真空中)の磁性体層と導電性の高いアルミ層が複合することにより、低周波磁界のエネルギーが迂回する。さらに反射、吸収を繰り返し低周波磁界を減衰させる。

当社製品と従来製品の電磁波シールド比較(素材地)

上の電磁波シールドグラフは周波数0Hz~1000KHzに於ける「遮蔽磁界強度」を測定したものです。EMSパッドは従来の皮膜素材ではほとんど遮蔽性能がなかった 交流電流やIH調理器などから発生する低周波磁界を遮蔽します。下のグラフは高周波電磁波のイズに於けるKEC法で計測した電界シールドデータです。

電磁波を遮蔽します。

理論的な裏付け

1. 電磁遮蔽効果の理論式

Sが大きいほど、電磁遮蔽効果は高くなる。したがって電磁シールド素材にはδが大きな素材を選ぶ必要がある。EMSパッドには、高透磁率磁性材シート(120μm厚)を使用した。

2. 素材の多層化による電磁遮蔽率の向上

素材を多層化したときの電磁遮蔽効果Sの理論式を下記に示す。

Sが大きいほど、電磁遮蔽効果は高くなる。電磁シールド素材を積層化させることにより、電磁シールド性能が向上する。EMSパッドは、アルミニウム箔と高透磁率磁性材シートの5層構造で構成されている。

3. 遮蔽磁界強度測定試験

遮蔽磁界強度の測定には下記の方法を用いる[図2]。トラッキングパルスを送信ループアンテナから送信、被測定素材を隔てた受信ループアンテナにて受信し、遮蔽強度を測定する。


▲ 図2 遮蔽磁界強度測定試験方法

EMSパッドの遮蔽磁界強度測定試験結果を図3に示す。本シートは、アルミニウム箔と高透磁率磁性材シートの5層構造で構成することにより、0.7mmの厚さにもかかわらず、素材値における遮蔽磁界強度測定試験において、100Hzから300Kzの低周波電磁界で最大60dB(99.9%)程度の遮蔽率が確認された。IH電磁調理器から発する低周波電磁界は20kHz~30kHzがもっともエネルギーが強いのを確認しており、その付近の遮蔽率は60dB(99.9%)あると確認された。


▲図3 シールド性能の測定データ
(※注10の2乗の対数目盛なので均一ではない)

参考文献:最新 電磁波の吸収と遮蔽,日経技術図書